バーラウンジは大人の男性にぴったりの雰囲気。大阪の街をモチーフにした大きな日本画が目を引く。セントレジス発祥のカクテルであるブラッディーマリーが名物。なかでも大阪オリジナルの「将軍マリー」は柚子や山葵の香味を付けた和テイストが珍しい

――多くのホテルが課題とする、人材育成やIT投資についてはいかがですか。

 ホスピタリティって、さまざまな定義があると思うのですが、私は相手の言わんとすることを予測して最も適切な対応をすることだと思うんですね。それから大事なのは、問題解決の仕方です。スタッフだって人間ですから、お客様のコップを倒してしまう時だってある。そうしたハプニングを起こしてしまった時に、いかに適切にスピーディーに対処できるのかが重要です。

 当ホテルで働く従業員は現在200名弱いますが、スタッフの質のばらつきがクレームのもとになり、ブランドを貶める原因にもなります。ですから研修には力を入れています。スターウッドにはグローバルで共通したトレーニングプログラムがあり、インターネットで個別に学ぶものや、先輩とロールプレイングをするものなどを積極的に行っています。

 IT投資についてもスターウッドが総力を挙げてやっています。ひとつは、宿泊客の満足度を上げるための投資です。「南向きの部屋がお好み」「エレベーターから近い部屋を指定する」「前回は有料で部屋のアップグレードを提案したところOKしてもらえた」などの履歴を残してサービス向上に活用します。

 もうひとつは集客への投資、さまざまなネットマーケティングですね。そしてタイムリーに最適な価格をご提供できるような客室マネジメントへの投資です。こうした宿泊部門におけるやり方を、今度はウェディング部門や宴会部門にも移植し始めているところです。

――ところで、福永総支配人は国内外でキャリアを積まれてきましたが、そうした道を選んだきっかけは何だったんでしょうか。

 私の経歴は異色かもしれません(笑)。大学で法律を学んだ後、とあるモルディブのホテルでダイビングのインストラクターをしていました。半年に一度、ニューカレドニアやタヒチのホテルにも研修に行かせてもらいました。当時、日本はバブルで日本のお客様もよくいらしていたのですが、彼らはダイビングをした後、ビジネスの話を熱心にしていました。

 そうした話を聞いているうちに自分も現場のオペレーションだけでなく、経営を学びたいと強く思うようになり、帰国。3年間、会計監査事務所で働きました。その後は外資系ホテルのマネジメントクラスとして、いくつかのホテルを渡り歩きました。