『週刊ダイヤモンド』2015年8月1日号の第1特集は、「プロが選ぶベストホテル」。旅行や出張で宿泊するホテル。そこに広がる空間やもてなしは、われわれを非日常へといざなってくれ、時の流れをも忘れさせてくれる。さらにホテルは、食事や娯楽、教養まで提供、今や大人のテーマパークへといっても過言ではない。おまけにインバウンドの急増で、ホテル業界は大激変だ。そこで、ホテル通たちの確かな選択眼を持って素晴らしいホテルを判定、「ベストホテル」をご紹介する。

ガラス張りのロビーラウンジや、ジャズ演奏も楽しめるグリル&バー、館内を彩る芸術品の数々、そしてスタンダードでも45m2という広々とした客室──。
ラグジュアリーでありながら、どこかセンスの良い自宅にいるようなリラックス感を味わえる空間。パーク ハイアット 東京は、まさに「大都会の隠れ家」だ。
新宿副都心の外れに誕生したのは今から21年前。しかし、そうした魅力は色あせることなく、むしろ存在感を増している。「自宅のようなくつろぎと安らぎ」をコンセプトに「変えない美学」を徹底して貫いているからだ。
開業以来、グリル&バーを3億円掛けて一度だけ改装したが、常連客から「何が変わったのか」と不思議がられたほどだ。
「35軒ある世界のパーク ハイアットの中でも東京はフラッグシップ」と阿部博秀・日本ハイアット社長が言うように、多くのライバルホテルも「日本を代表するホテル」と口をそろえる。
とはいえ、時代に合わせ、接客スタイルや料理、プランは見直している。総支配人と現場責任者が全ての口コミに目を通し、客の要望をサービス向上に生かすなど、ソフト面は進化させているのだ。
今回、ホテル通33人にアンケートを実施、さまざまなテーマでお薦めしたいホテルを選んでもらった。その中で、パーク ハイアットは「一生に一度は泊まりたい憧れのホテル」の栄えある1位に輝いた。
2位にランクインしたのは、変わらないパーク ハイアットとは対照的に、それまでにない新たな形で、昨年末、東京・大手町に誕生したアマン東京だ。
アマンといえば、世界中に熱狂的なファンを持つ高級リゾートホテル。しかし日本で開業したのはグループ初となる都市型ホテルだ。