40歳からの転職に有効な
2つの方法とは?

 では、どうしたらいいのか。有効なやり方は少なくとも2つある。

 1つは剣山の針が、思いもよらなかったところに当たる場合だ。これまでにも紹介してきたような応用事例だ。その人のスキル・技術が全く別の領域で活かされるような場合で、例えば生産管理のスキルがサービス業で活かされるといったケースである。

 この場合、求人企業が気づいていなかったことでも、正鵠を射る提案ができればうまく転職できる可能性が生まれる。「剣山の針が秘孔を突く」といった感じだろうか。

 また、こうしたケースでは、提案型のマッチングを支援してくれるエージェントないしは仲介者が必要になる。私たち社会人材学舎が行っている、「求人者のプレゼンを聞いてほしい」というやり方はまさしく提案型マッチングだ。

 会社側に今現在求人の意志があるかどうかはあまり関係がない。ポストが用意されていなくてもいい。ジョブマッチングというよりも、経営への提言であったり、新規事業提案だったりなので、会社側としては提案されて初めてその重要性に気づくといった形になる。

 もちろん、一発で提案が通るということはあまりない。まず、仮説の段階でプレゼンし、そこから企業側の本音を聞きだし、それに対して再度提案するといったステップを踏む。

 私の経験から言うと、何回か提案を繰り返すうちに、提案そのものの内容よりも提案者である求職者の人となりがわかってきて、提案内容を超えて活躍が期待されるということが多いようだ。その意味では提案の形を借りた自分自身の売り込みと言ってもよいかもしれない。

 もう1つのやり方は、すでに求人のある場合。多くの企業は自分たちの戦略を実行するために、あるスペックを持った人材を求める。しかし、必ずしも実行したい戦略と求める人材のスペックが一致しているとは限らない。

 たとえばある会社が、経理のできる人間がほしいと言っていたとする。経理の担当者はすでにいるのに、なぜ経理のできる人間をさらに求めるのか? 話をよく聞くと、上場準備のためだという答えだった。そこでその会社の現在の人材の状況を調べてみたところ、本当に必要なのは経理ではなくIR=株主対策のできる人間だとわかる。

 さらに上場準備のために、社内規定の整備ができる総務的スキルを持った人間こそが求めている人材だとわかった。欲しい人材は上場準備経験のある、管理全般に精通した人間だったのだ。