変わった「女1人と男2人」
の関係を描く『恋仲』
7月20日にスタートした、フジテレビ系“月9”ドラマ『恋仲』が、これまでの“月9”にない形で盛り上がりを見せていると話題になっています。
初回の視聴率は9.8%と、“月9”ではまれに見る低い数字でスタートした同ドラマでしたが、第2回で9.9%、そして、第3回では11.9%と2桁に乗ってきます。
これまで“月9”の視聴率のパターンは、初回は高い視聴率で始まり、その後は作品の内容次第で、下がっていく傾向のものと、高い水準を保ちながらラストに向かって数字が上がっていく形の2つが一般的でしたが、今回は、最低レベルからスタートしながらも徐々に数字が上昇しているという、全く珍しいパターンというわけです。
珍しいといえば、こんな指摘もあります。
今回のドラマでは、福士蒼汰が演じる主人公・三浦葵、ヒロインに本田翼が演じる芹沢あかり、主人公の恋敵に、野村周平演じる蒼井翔太の「女1人と男2人」という関係が設定されています。
これまでの“月9”でももちろん、「女1人と男2人」という関係は描かれてきました。とりわけ、ライバル関係にある「男2人」について、『東京ラブストーリー』では、真面目な織田裕二と陽気な江口洋介、『ビーチボーイズ』では、ワイルドな反町隆史と繊細な竹野内豊というように、タイプの違う魅力的な男性を登場させることで、主に女性視聴者の人気を獲得しようという意図があったようです。
対して『恋仲』では、主人公の葵が純粋で爽やかなキャラなのに対し、ライバル役の翔太があまりにも姑息で、何をしでかすかわからない狂気的な雰囲気のキャラであるという、これまでに見なかったような「男2人」の設定がなされています。
さて、このような登場人物の設定には、どんな意図があるのでしょうか。ひいては、視聴率がじわじわと上がって来たことと関係があるのでしょうか。