航空自衛隊がいまの「中期防衛力整備計画」中に28機を発注する予定のステルス戦闘機F35Aは今年度予算で6機が1032億円と訓練経費が181億円で計1213億円(1機当たり202億円)だ。コンピューターとセンサーの固まりのような新鋭戦闘機よりも、ごく小型の輸送機のほうが高価というのは、いかに新機軸で垂直離着陸が可能とはいえ、変な話だ。

 試作機の事故が相次ぎ開発から米軍への配備開始まで約20年もかかったため、その間の経費が割掛けされたのだろう。最新型の旅客機ボーイング787は国内線なら335人の乗客を乗せられるが価格は約200億円だ。

 オスプレイは離陸後は回転翼を前に向け、一般の飛行機のように主翼の揚力で飛行するから、速度は輸送ヘリコプターの2倍に近く、航続距離は約4倍だが、肝心の輸送能力が乏しい。

 米陸軍や自衛隊が使っている大型輸送ヘリCH47が兵員55人を乗せられ、大型貨物や車輌も運べるのに対し、オスプレーは兵員24人しか乗せられず、貨物室の幅が1.7mという狭さで車輛は積めない。しかもCH47が米国で1機3500万ドル(約42億円)なのにオスプレイは米軍への納入価格でも少なくともその2倍はするから、米陸軍は採用せず、海兵隊も一時は拒否したが、米議会が圧力をかけて採用させた。

 また防衛省が来年度予算で要求する水陸両用車「AAV7」11輌(74億円、1輌6.7億円)は「中期防衛力整備計画」で52輌を購入する計画の一部だ。これは米国でベトナム戦争中の1967年に試作品が完成、1971年から74年にかけて生産されたものだ。高さが3.1mもある大型で狙われやすく、装甲はアルミで最大45mmだから防御力は乏しい。40年以上前に生産が終了した代物を再生産させるのだから、当然途方もない高値になる。

東シナ海の中国空軍は
戦闘機数では自衛隊を圧倒

 自衛隊・防衛省は尖閣諸島などの離島が外国に占領されればオスプレイやAAV7などで水陸機動団を送り込み奪回する構想を描いているが、上陸作戦には制空権(航空優勢)が不可欠だ。敵が制空権を握っていれば輸送機やヘリは途中で撃墜されるし、水陸両用車を運ぶ揚陸艦も撃破されるのはほぼ確実だ。

 仮に上陸に成功しても航空攻撃で補給が断たれ、後続部隊も来なければ孤島の部隊は全滅する。第2次世界大戦中の日本軍は10数ヵ所の孤島で飢餓に耐えつつ善戦して「玉砕」し、増援部隊の逆上陸も全て失敗、海上で撃滅された。