米国防省は5月12日、米空軍横田基地(東京都福生市など)に垂直離着陸輸送機CV22(オスプレイ)10機を配備すると発表、東京都などに対して特殊部隊の軍人・軍属約400人を追加する計画も明らかにした。「忍者部隊」が東京にやって来るわけだ。
おりしも5月17日には米海兵隊のMV22がハワイ・オアフ島のベローズ空軍基地で着陸に失敗炎上、乗っていた22人中1人が死亡、21人が火傷を負い病院に搬送される事故が発生した。
陸上自衛隊もMV22を17機、3600億円で輸入し、佐賀空港に配備する計画だが、安全性に疑問が再燃しそうだ。
横田基地に配備されるCV22は、すでに沖縄の普天間基地に24機が配備されている海兵隊ヴァージョンのMV22とほぼ同型機だが、空軍ヴァージョンのCV22は特殊部隊の潜入用だから、夜間に超低空飛行をするための「地形追随・障害物回避用レーダー」を装備している。MV22が2014年9月までで10万飛行時間当たり2.12件の比較的低い事故率であるのに対し、CV22は今年1月まで計4.2万時間の飛行時間だが、CV22はそれから10万時間当たりの事故率を計算すると7.21件に当たり、3.4倍の事故率となる。
機体自体にはほぼ違いはないが、MV22は沖合の強襲揚陸艦(ヘリ空母)から海兵隊員や補給物資などを陸地へ運ぶのが主な任務であるのに対し、CV22は特殊部隊を敵地の内陸に秘かに送り込んだり、収容して帰投させるため、超低空飛行や暗視装置に頼って夜間着陸の訓練をすることが多いためと考えられる。