経営 X 人事

なぜソフトバンクの社内講師は
自信をもって教えることができるのか

参加者も講師も成長できる
それが内製研修の魅力

 社内講師は、当たり前ですが外部講師にはできない現場の実体験を話すことができます。

 そして、その講師が実際に社内で培ったノウハウをシェアすることで、参加者にとってはこれから行うであろう業務の事前のワクチンになり、自信を持って業務を迎えることができるようになるわけです。

 先に経験している先輩の事例を事前に聞けることはとても良いことだと思います。まさに、現場のOJTを、OFF-JTという研修の場で別の部隊の先輩が教えてくれるのが研修内製化だと考えています。

 一方、社内研修に登壇する認定講師も登壇をするたびに自己成長していくことになります。

 講師は、研修で自分の経験やノウハウを教えるわけですが、当然、受講者からいろいろな意見や感想を聞くことになり、それが講師にインプットされます。

 講師はそれを現場に持ち帰って改めて実践し、次の研修の機会にはそれを踏まえた上での新たな経験・ノウハウを伝えていくことができます。

 自分の経験やノウハウが登壇することによってブラッシュアップされ、より磨かれていき、職場での実践度合いも高まっていくので、自身の成長にもつながるわけです。

 これはまさに、研修を通してPDCAが回っていくということです。

 また、結果的に、互いに成長しあうシステムになっているわけです。これは、社内講師でなくては得ることのできない効果・効用です。

 社内講師を軸にさまざまな社員が集まって、互いの意見をぶつけ合いながらお互いを高めあっていく。そして、その場は社員同士が繋がる場であり、そこから新しいプロジェクトが生まれたり、仕事の相談などもできる関係性が築かれる場になるわけです。

 そのような点で、研修の内製化はとても魅力的な施策だと思います。

入社2年目で英会話レッスンの
講師を務める社員も

 社内講師の年齢層は幅広く、男女による差もありません。

 入社2年目から活躍する英会話のレッスンの講師やデータ分析の講師がいる一方で、執行役員の本部長が管理職コーチングの講師を務めるなど、多様なプロフィール・バックボーンを持った人材が講師を務めています。全ての社員に認定されるチャンスがあります。

 現場のOJTは、上位の者が下位の者を教えるケースが多いかもしれません。しかし、実際の現場では、細かな業務レベルにおいて横同士で教える場合も多々ありますし、場合によっては、下の者が上司にPCの操作や語学を教えることだってあるわけです。

 語学やPCスキルなどは、若い人の方ができる事が多いので、そのスキルを業務で使っている人に講師になってもらうほうが合理的だと考えています。

 もちろん、管理職を対象とした研修では、基本的には、管理職が講師を務めます。

 講師を務めるにあたっては、役職や年齢、性別などは全く関係ありません。私にも講師になれるチャンスがある、と思ってチャレンジされる若手も多く、よい循環になっています。

 実際の社内講師の応募の際において、年齢や性別は特に重視しません。あくまで、本人の経験・ノウハウと強い想いがあるかどうかという視点で判断しています。

 若い人にもチャンスがあるわけですが、逆の視点からすると、経験豊富なベテラン勢もいままで培ってきたスキルを思う存分発揮をする場があるわけです。

 このように考えると、まさに社内講師はダイバーシティそのものなのです。

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島村公俊

ソフトバンク株式会社人事本部人材開発部 ソフトバンクユニバーシティ立ち上げ時の研修内製化に従事。現在、社内認定講師(ICI)制度の企画、運営に携わり、100名を超える社内講師陣の育成も担当する。 2013年アジア初のPike's Peak Award、 2014年HRチャレンジ大賞人材育成部門優秀賞を受賞。 外部講演では、研修開発ラボ、慶應丸の内シティキャンパス、HRサミット、HRカンファレンス、東京都教育庁、早稲田大学など多数実施。最近は、教職員向け、大学生、高校生向けの講演会、ワークショップも実施している。社内外含め、累計登壇回数800回以上、受講者数1万8千人以上の登壇実績。

 


ソフトバンク流「研修内製化」の真実

企業の人事部門では今、「研修の内製化」がひとつのキーワードになっている。どちらかといえばそれは、教育コストの削減という経営の要請が発火点になっているが、一方では内製化をポジティブにとらえ、成果を上げている企業もある。5年ほど前から研修の内製化に取り組み、現在では100名を超える社内講師を抱えるソフトバンクは、その代表的な企業と言える。内製化を成功に導き、成果を上げる秘訣について、ソフトバンク人材開発部の島村公俊氏に語ってもらった。

「ソフトバンク流「研修内製化」の真実」

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