東京都心で不動産市場が高騰する中、マンション販売に強みを持つ野村不動産ホールディングスは今後どのような事業展開を目指すのか。6月に就任した沓掛英二社長に聞いた。

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──2015年3月期の住宅分譲戸数は7021戸と過去最高でした。要因は何でしょうか。また、今期は6500戸とやや減少の見通しですが、都心ではマンション価格が高騰しています。目標を維持できますか。

 過去最高の要因は、しっかりと土地の仕入れを図ってきたことや、再開発事業で利便性の高い街づくりと一体化したマンションを提供できたためでしょう。脱デフレの機運で、これまで賃貸に住んでいた層がマンション購入に動いたことや、高齢者の都心回帰、相続税負担軽減のための不動産購入の増加も後押ししました。

 今期については、マンション価格の高騰で、購入希望者の年収の10倍を超えるため買えない、といった動きが出る懸念もあります。しかし、経済成長が実感され、年収の方が追い付けば解消されます。マンション用地の取得は、都心では確かに地価高騰で難しい。そのため郊外でも、駅近くの再開発で魅力的な街づくりを進めます。

──連結営業利益のうちマンションなど住宅事業が4割、オフィスビルなど賃貸事業が3割です。賃貸事業をどう拡大しますか。