ファンと一緒に育つ会社

木谷 新日本プロレスの売り上げは、買収前は11億4000万でした。今期はおそらく売り上げが27億5000万円ぐらいになります。

入山 すごいですね、3倍ですね。

木谷 新日本プロレスがグループ会社になって1年後ぐらいのときは、たまに会場に行くとファンの方から「本当に、ありがとうございました」って言われましたね。プロレスをここまで盛り上げてくれてありがとうございましたって、何度も。今でもたまに言われますが、いやいや、お金をもらっているのですから、こっちがありがとうございますと言いたいです(笑)。

入山 今面白いなと思ったのが、でも、そのファンって、いわゆるマニアだと思うんです。木谷さんは対談の前半で「マニアが市場を潰す」と言っていたけれど…変化した市場にマニアも残り、かつ、新しい人も獲得しているということですよね。

木谷 そういうことですね。プロレス人気が下火の時に、それでも残っているのは、相当濃いファンなんですよね。コンテンツが盛り上がってきているときに離れるってもったいないじゃないですか。要するに、ファンからしたら、応援してきた時間も資産なんですよ。思い入れという名の資産なので、その資産を捨てることになっちゃうんですね。

 ファンもみんな、一度は新日本プロレスはもうダメだと思っていました。無くなるという危機的な時期があったことで、マニアの人が新しいものを受け入れてくれる空気感があったのかもしれません。ファンの人たちも、なんとかプロレスをもう一度盛り上げたいという気持ちがあった。それも今の新日本プロレスが伸びている原動力ですね。ファンが一緒になって育ててくれている会社とも言えるかもしれませんね。