今週の金曜日(4月23日)、新たなプロスポーツがスタートする。女子プロ野球だ。

 日本女子プロ野球機構(=株式会社)が設立されたのは昨年夏。選手を募集し、秋に行われた2回のトライアウトを経て30人の選手が選ばれた。これを15人ずつ2チーム(「京都アストドリームス」と「兵庫スイングスマイリーズ」)に分けて試合を行う。

 今季は10月まで40試合を予定。ファンがつき認知度が高まれば、チーム数を増やしリーグ戦にしていく計画だ。

 これまで女子の野球選手として注目されたのはタレント・萩本欽一が監督を務める社会人クラブチーム「茨城ゴールデンゴールズ」の片岡安祐美と関西独立リーグの神戸でプレーし、今季はアメリカの独立リーグのチームと契約した吉田えり。ともに野球が好きで好きでたまらず、といって女子が高いレベルでプレーする場がないため(実はアマチュアの女子硬式クラブチームはある)、男子のチームに入る道を選んだ。

 吉田はれっきとしたプロだし、片岡も野球で名を売りタレント活動をしているからプロといっていいだろう。今回の女子プロ野球発足で、そうした存在が一気に30人増えたわけだ。

「わかさ生活」社長の情熱が
女子プロ組織を生んだ

 ところで本家NPBの人気に陰りが出ているうえ不況の影響で社会人・クラブチームには元気がなく、相次いで生まれた独立リーグのチームも経営に四苦八苦しているこの時期に、さらにマイナーな女子野球のプロ組織をなぜ立ち上げたのだろうか。

 調べてみると、有力なスポンサーがついていることが判った。京都に本社を持つ「株式会社わかさ生活」だ。眼に良いサプリメントとして大ヒット商品になった「ブルーベリーアイ」などの健康食品を開発し販売している会社である。

 社長の角谷建耀知氏は大の野球好きで、これまでもさまざまな形で野球を支援してきた。夏の甲子園大会の民放中継や昨年スタートした関西独立リーグのスポンサーになっているし、地元京都・西京極球場の命名権を買い取り「わかさスタジアム京都」にしている。