以上の理由から、中国人は「爆買い」をするのだが、中にはこの行為を「外国のものばかりありがたがる外国盲従だ」と考える人もいる。

 前出の人民ネット記事について、一部のネットユーザーには爆買いする人を指して「一群の民族の裏切り者たち」と罵る声もあり、「日本製品ボイコット、自分自身から始めよう」と日本製品ボイコットを呼びかける声もあった。外国のものを買うことは本当に非愛国的なのだろうか。

良い品を買うのは当然!
愛国心も爆買いを止められない

 中国の近現代史を紐解いてみると、第一次大戦後日本が中国に対し帝国主義的侵略を始め、「対華21ヵ条の要求」を中国に突きつけた際、中国の民衆は日本製品ボイコットを叫んだというように、日本の侵略に怒った中国の民衆が日本製品ボイコットで対抗したことがあった。

 その当時は、日本製品を中国から駆逐することこそが日本帝国主義の中国経済に対する侵略に抗議する「愛国主義的行為」とされていた。そのような考え方がその後も少なからず残り、一部の愛国人士を自認する者はそうすることが自らの「愛国心」示すことであると考えている。

 日中関係の構造的問題である歴史や領土に関する事件が起こると、中国人の歴史の記憶が呼び覚まされ、一部の過激な人たちが日本製品ボイコットを呼びかけたりする。彼らの行為は愛国的ではあるが、それは自国をものを愛し、他を排除する「狭隘なナショナリズム」であり、長い目でみると、中国にとってプラスにはなりえない。

「自力更生」を旨とする国家建設を目指した毛沢東は、「大躍進」や「文化大革命」で中国に未曾有の混乱をもたらしたこともあり、外国に学ぶことをせずに立ち遅れたやり方で国家建設を進めた指導者としてとらえられがちだ。しかし必ずしもそうではなく、外国に学ぶ必要性を認識して、「われわれは世界のすべての長所、すべての民族の長所を学びたいと思う。そうでなければどうして存在・発展できるだろうか?」と語ったことがあり、必ずしも狭隘なナショナリズムに陥ってはいなかった。

 経済のグローバル化が進んだ現在、中国が世界経済との関係を断ち切ることは現実的な選択ではなく、人々の生活にも外国製品が入り込んでいるため、かつてのように外国製品ボイコットをして抗議するのは非現実的である。