10月15日、BBCが日本語版国際ニュースサイトを立ち上げた。背景には、日本での国際ニュースへの関心の高まりがある。

イスラム国の人質事件以降
日本で高まるテロリズムへの関心

 世界各国で24時間、ニュースやドキュメンタリーを配信している英国放送協会(BBC)。日本でも20年前から、ニュースを放送している。そのBBCが新たに、日本語版国際ニュースサイト「BBC.jp」を開設した。

本国のニュースサイト「BBC.com」から日本向けにトピックを選んで翻訳。同日中には掲載することで、ニュースの鮮度にもこだわる

 英語の国際ニュースサイト「BBC.com」は毎月10億近いページビュー(PV)を誇る、世界最大規模のニュースサイト。ここから日本向けにコンテンツを選び、翻訳した映像や記事を掲載する。

 ニュース映像は世界200ヵ国以上で提供しているBBCだが、意外にも、海外の現地言語でのウェブサイト開設は、日本が初めてなのだという。

「国際ニュースへの関心の高まりは世界的に見られる現象ですが、特に日本では一昨年から昨年にかけて、大きく関心度が高まったのです」。BBCワールドジャパンの渡辺雄二代表取締役マネージング・ダイレクターは、こう話す。BBC.comへも毎月、日本からのアクセスが800万PVほど、コンスタントにあるという。

 BBCでは今年6月、世界8ヵ国で世界情勢に対する関心度調査を行った。日本では国際情勢について「これまでになく興味がある」と答えた割合は75%。一方で「興味がない」と答えたのは、わずか3%だった。また、調査対象国全体でもっとも関心の高いジャンルはテロリズムで、70%の人が関心を示したが、日本人に限れば81%もの人が関心があると回答した。

「おそらく、イスラム国(IS)の人質事件がきっかけなのではないでしょうか」(渡辺代表取締役)。確かにISは日本人も標的にすると名指しで警告をしており、海外旅行や出張時に警戒する人も増えた。これまで、中東情勢には欧米人ほど関心を示してこなかった日本人だが、そうした感覚を変える事件だったのは間違いない。