Q.新著『竹中先生、「お金」について本音を話していいですか?』(著者・編集:竹中平蔵・ 堀江貴文、2015年03月、ワニブックス)で、地方テレビや地方新聞など地域メディアについて語られていますが、インターネットが普及した現在、これら地方メディアの存在意義はどこにあるとお考えですか?

地域に必要不可欠な情報の発信源として
放送メディアの存在価値はさらに高まる

A.インターネットで世界中から情報が集まるようになっても、一方で地域でしか発信されないローカルの情報は、地域にとって必要不可欠です。テレビなどの放送メディアは、地域の不特定多数に一斉に地域情報を伝えられるという意味で存在意義はむしろ高まっていると思います。

 米国をみてみると、1300以上の地方ラジオ局、30以上のケーブルテレビ局をネットワークしている「クリアチャネル」というメディア企業があり、成長を続けています。これは地域のラジオ局やケーブルテレビ局の存在が、根強く求められていることの証しでもあります。

 日本でも、特に地方においては、キー局よりも地方の情報にきめ細やかに対応した地域のテレビやラジオの役割が大きくなっていくと思っています。

 最近では、地方局が独自に製作した情報番組、バラエティ番組などが増え始めています。地域の生活者それぞれの現状に寄り添った情報発信はさらに増えていくはずです。インターネットとの積極的な連携も必要になってくるのではないでしょうか。

 その一方で、地方新聞に関しては、インターネットに押されて紙のメディアからウェブメディアに移行していく流れになるでしょう。紙に印刷して配達するのに比べインターネット発信はコストも安く、採算面からもネット移行せざるをえなくなるでしょう。