また、前妻が再婚相手と知り合ってから離婚するまでの不倫は不貞行為であり、慰謝料の対象です。だから和彦さんは再婚相手に対して今でも慰謝料を請求することは可能です。しかし、和彦さんは何より「再婚しない前提」の養育費の免除を最優先に考えていました。だから和彦さんは前妻が今すぐ養育費の免除に同意するのなら、その見返りに慰謝料の請求権を放棄するという提案も同時に行ったのです。

 今後、和彦さんは前妻と接点を持つつもりはないそうですが、前妻はどうでしょうか?きっと和彦さんとは接点を持ちたくないでしょう。それなのに無意味に決断を遅らせ、不必要に長期化させ意固地に無視を続けたりしたら、どうなるでしょうか?今回の件をいつまでの解決しないせいで、ずるずると接点を持ち続けることで互いが互いを傷つける回数が増えるようでは本末転倒でしょう。このように長期化するデメリットは和彦さんだけでなく、前妻にもあるのだと言い添えて「早く観念して一刻も早くあきらめてほしい」と伝えたところ、最終的には渋々ですが、前妻から承諾を得ることができたのです。

男性のうち10人に2人が再婚
年々、増加するトラブル

 平成17年(2005年)の人口動態統計(厚生労働省)によると 夫が初婚、妻が再婚というケースは婚姻全体の7.1%、夫が再婚、妻が初婚というケースは9.3%、夫、妻ともに再婚というケースは9%ですが、昭和50年(1975年)の同統計では初婚、妻が再婚というケースは3.6%、夫が再婚、妻が初婚というケースは5.2%、夫、妻ともの再婚というケースは3.9%なので、バツイチ同士の再婚は30年で3倍に増えたことが分かりますが、むしろ驚くべきなのは男性のうち、10人の2人は「再婚」という現実でしょう(婚姻全体に占める再婚の割合が夫は19.2%。妻は16.5%。いずれも平成25年の人口動態統計より)。

 毎年、一定数の男女が離婚するので、離婚経験者は年々、増える一方なのですが、だからこそ、離婚経験者の増加に比例して、再婚のトラブルが増えているのは自明の理ですし、自分が当事者になっても不思議ではないので、もはや他人事では済まされないのです。

<出典>
・厚生労働省の人口動態統計特殊報告(平成17年)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin06/konin06-4.html

・厚生労働省の人口動態統計(平成25年)「全婚姻件数に対する再婚件数の割合の年次推移」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai13/dl/gaikyou25.pdf