小学校低学年の暴力が10倍超に急増!幼稚な暴力に走る「3歳児みたいな小学生」の特徴とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

かつて「校内暴力」といえば、中高生の不良グループが反抗心により起こすものだった。しかし現在は、小学生、それも低学年による暴力行為が激増しているという。ごく普通に見える小学生が、なぜ他人を傷つけてしまうのか。加害児童が抱える闇と、その原因に迫る。※本稿は、作家の石井光太『傷つけ合う子どもたち 大人の知らない、加害と被害』(CEメディアハウス)の一部を抜粋・編集したものです。

増加の一途をたどる
学校内の暴力行為

――休み時間に友達の顔を殴った。
――先生に筆箱を投げつけて眼鏡を壊した。
――下級生の髪を引っ張って抜いた。

 保育園や小学校では、日々多くの暴力トラブルが起きています。保護者であれば誰もが一度は、他の保護者がこんなふうに囁いているのを耳にしたことがあるでしょう。

「Gちゃんはすぐに手を出すよね。今日もH先生が注意したら、Gちゃんがいきなりバケツを蹴って他の子に当てて怪我させたみたい。親のしつけがなってないんじゃない?」

 幼い頃から粗暴な行為が目立ち、誰彼構わず手を出してしまう子は存在します。幼児期は腕力がないのでそこまで大事に至ることは少なく、せいぜい「すぐ手が出る子」「かんしゃく持ち」くらいで済まされます。

 ただし、小学校に上がると身体が大きくなるので、ちょっとした衝突によって相手を傷つけたり、器物を破損させたりすることになる。すると、子どもたちは「暴力を振るう子」「荒れている子」と危険視され、友達からも保護者からもつまはじきにされます。

 現在、日本の学校では暴力行為が過去にないほど増加しています。