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グーグルが人工知能エンジンを一般公開
“第二のアンドロイド”を目指す

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第366回】 2015年11月12日
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AI技術競争のルールを書き換える

 グーグルのブログによると、「グーグルの外に出すことによって、もっと大きなインパクトを生み出せると考えた」というのがその理由だ。「アカデミックからエンジニア、そしてホビイストにいたるまで、機械学習のコミュニティーが論文だけではなく、実際に動くコードを通してもっと速く意見を交換できるようになり、それがまた機械学習の研究を加速化する。誰にとってもいいことが起こる」としている。

 もちろん、そうした研究や開発の成果はグーグルにも還流するので、同社が最も得をするのかもしれない。

 わかりやすい似た例はアンドロイドだろう。グーグルがアンドロイドをオープンソース化することによって、各社の製品の開発が加速化し、さまざまなアプリケーションが生まれ、最終的に大きなアンドロイド・コミュニティーやエコシステムができあがった。そして、グーグルは、ある種スタンダードを握る存在になることができたとも言える。

 ディープラーニング技術において、グーグルはすでに5~7年先を行っているという見方もあり、今回のオープンソース化によって世界中のAIコミュニティーが底上げされたことになる。

 今後、インターネットやデジタル・デバイスだけではなく、生命科学研究や広告、セキュリティーなどさまざまなところにテンサーフローが利用されることになるだろう。

 テクノロジー各社間でAI開発の競争が起こっていたのだが、今回のグーグルの動きは、競争をルールごと書き換えるものと言える。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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