ほとんどの片づけ本は、
「きちんとできる人」が書いている

だから私は整理術の本をたくさん読んだ。
しかし、ほとんど功を奏さなかった。
考えてみれば、うまくいくはずがなかったのだ。

そもそも、きちんとしている人は、たいがいの整理術の本に書いてあるように、
わかりきったことしか言わない。

冷静になり、計画を立てて、「とにかくやりなさい」「今すぐやりなさい」。
鍵は必ず同じところに戻しなさい。
机や床に散らかった物は、ファイルするか捨てなさい。
押し入れに不要な物があったら処分すること。
すべて元の場所に返し、時間はきちんと守るように。

なるほどと思い、実行してみる。

「ようし、やってやろうじゃない。今度の週末、片っぱしから捨ててやる。机や床を片づけ、服を全部しまい、食器も洗ってしまう。ここをどうにかくつろいだ雰囲気にしてみせるわ。それに、遅刻もしない」。

そんな宣言もムダだった。しばらくすると元通り。
今度こそはと思いながら、きれいにできないばかりか、
ゆったりと週末も楽しめずにむなしく毎日が過ぎていった。

プロの手を借りて整理してもらったこともあるが、
翌日の夕方、机の上はすっかり散らかり、
週末には片づけたのがウソのようになっていた。

なぜなのか? どうすればいいのか?
私は1つの理由にたどり着いた。