次に、衛星の分野での事例を紹介したい。

 ここでもベンチャー企業が、独自の技術力と大企業からの出資で、世界規模での小型衛星事業の展開を試みているのが目立つ。

数百~数千機の小型衛星群で
世界にブロードバンド環境を提供

 小型衛星開発のベンチャー企業であるワンウェブ(OneWeb)社は、クアルコム、ヴァージン・グループ、コカ・コーラなどから出資を受け、低軌道に648機もの小型衛星を打ち上げる計画だ。これにより世界のどこからでもインターネットに接続できる環境を提供するという。

ワンウェブの小型衛星。これを648機も打ち上げる ※動画
出所:OneWeb

 同様の構想をスペースX社も発表した。同社は米国連邦通院委員会(FCC)に小型衛星4000機を打ち上げる壮大な計画を申請している。

 これらのベンチャー企業は、光ファイバーなどネットワークインフラ環境が整っていない国や地域へのブロードバンド環境の提供が、大きなビジネスの展開に繋がると考えているようだ。衛星を活用すれば、インフラ整備費用の削減、整備期間の短縮、地震・洪水などの自然災害に影響を受けないネットワーク環境の構築ができる。

 また、インフラ未整備の国や地域への新産業や雇用の創出にもつながる可能性がある。実際、コカ・コーラはそうした地域に物流拠点を作り、雇用(特に女性)を創出することを狙って出資しているという。

 なお、フェイスブックも同様の構想を打ち立てていたが、少なくとも数百機にもなる小型衛星の製造、打ち上げ及び運用などにかかる資金的な課題から、断念したと推測する。しかし同社は2015年10月、フランスのユーテルサット(Eutelsat)社と提携し、静止衛星「AMOS-6」を活用してアフリカ地域へのブロードバンド環境の提供に乗り出すと報じている。