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営業もサービスも、かつてより確実に質が落ちている――そう感じながらも、多くの顧客は声を上げず、他社へも移らず、低い期待のまま関係を続けている。そんな現代に登場したAIの存在は、社会でどんな役割を担っていくだろうか。(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)
営業力とサービス水準の劇的な低下
最近、一般顧客として企業に接する際には、ほとんど何も期待しなくなった。営業担当者にも、サービス担当者にも、である。
営業の場では、こちらの状況を事前に十分調べてきている様子を見ることは少ない。会社から渡された定型の企画書を説明し、少し踏み込んだ質問をすると、「詳しくはこちらの資料を」「それは別部署が」と話が分断される。だからこちらも、あらかじめ期待値を下げてから会う。
ところが、その低く設定した期待値すら下回る対応に出会うことが、もはや珍しくない。
サービス対応でも、同じことが起きている。利用履歴は十分に参照されず、マニュアル通りの確認が続き、例外的な話になると「仕様です」「ルールです」という言葉で応答が止まる。最終的に返ってくるのは、FAQを貼り付けただけの回答だ。
重要なのは、こうした現象が、もともと営業力やサービス品質で高く評価されていた企業でも起きている点である。一部の企業の問題ではない。何か、基準線そのものが、社会全体で下がっているのだ。
Exit / Voice / Loyaltyの歪み
この変化を理解する枠組みとして有用なのが、経済学者アルバート・ハーシュマンが『離脱・発言・忠誠~企業・組織・国家における衰退への反応~』(ミネルヴァ書房、2005年)で提示した「Exit / Voice / Loyalty理論(離脱・発言・忠誠理論)」である。







