一般的に「タワーマンション」と呼ばれるのは、20階以上のマンションだ。最上階が20~40階未満の単価は240~248円なので、平均の約2割増し。40階以上はさらに高くなり、281円で4割増しとなっている。5~20階未満の一般的なマンション(45mの高さ規制がある立地が多いので、14階建てがマンションでは一般的)が200円前後に対し、20階以上のマンションは月々の費用負担額が大きいことがわかる。ただし、これは容積率が高い都心エリアに集中する傾向と差し引きすると、許容範囲かもしれない。

 しかし、ここでも注意すべきは低層マンションである。総戸数が少なくなると、前述した【管理費の罠3】の影響を受けるからだ。郊外の低層では、苦肉の策としてエレベーターがない物件もあるし、同様にがけ地に建ててエレベーターを節約するケースもある。本当に必要ないならよいが、不便であるがゆえに売却するときに安い価格でしか売れないとなると、致命傷になりかねないので、気をつけてもらいたい。

【管理費の罠5】
新築価格が高いときには
管理費単価も高くなる

 そして第5の罠は、「新築価格が高いときには管理費単価も高くなる」ということだ。1990年以前に建てられたバブル期のマンションの管理費単価は非常に高く、言わば便乗値上げの様相を呈していた。その後、バブル崩壊による分譲価格の下落により管理費の高い物件はかなり是正された。しかし、リーマンショック前の価格高騰期にも同じことが起こっている。ここから言えることは、価格が安かったときのマンションは管理費も安く、耐震基準や設備水準も高い傾向にあるということだ。1998~2006年の間が相対的に低いので、中古の場合はこうした年代が狙い目になろう。

管理費が高いマンションは
安い価格でしか売れない

 いかがだったろうか。今回はマンションの管理費を取り上げたが、「たかが月額数千円、平方メートル単価で何十円じゃないか」と侮ってはいけない。管理費と修繕積立金は連動するので、管理費が高ければ修繕積立金も高くなりやすく、コストは倍増するということを知っておくべきだ。自分が支払う月額コストというだけでなく、売却する際の次の買い手にも影響を及ぼすことになる。次の買い手の毎月の住居費負担は住宅ローンだけではなく、管理費や修繕積立金も入ってくるのだ。それを数式で表わすと、次のようになる。

「住居費負担=ローンの返済+管理費+修繕積立金」

 実例として挙げると、ホテルと提携しているタワーマンションなど、施設やサービスを共有するがゆえに管理費が5万円は下らないマンションもある。そうしたサービスを受けたい住人はいいが、それを魅力に思わない住人もいる。近隣のマンションと比較して管理費が3万円高いとすると、住居費負担のぶんだけ売却価格は安くなってしまう。

 たとえば、管理費1万円の差で売買価格にいくらの違いが生じるかを計算すると、35年ローンで1万円の月支払額に相当する元本は金利1%でも354万円に相当する。3万円の違いは1062万円の売価に跳ね返り、1000万円も値引きしないとならなくなる。