「わかったよ。ゴミ出しは俺がやるよ!」
だから、うまくいかない。

 いっしょに楽しく暮らしながら家族としての秩序を保っていく中では、実はかなりストレスが生まれる。家族のメンバー同士、何度も同じ争いを繰り返すはめになるからである。

 たとえば、こんな場合。

「朝は夫がゴミ出し担当、妻がベッドを整える」と決めたのに、その約束が守らないとしたら、どうだろう。

 夫が「時間は守る」と誓ったにもかかわらず、相変わらず家を出るのが15分も遅れていたら、妻はだんだん腹の虫がおさまらなくなってくるだろう。

 そんな争いをくりかえしてしまうのは、「今、目の前にある問題を解決すればいい」と考えているためだ。実際には、いろいろな問題をめぐって争っているのにもかかわらず。

誰の仕事が重要か。お互いをどう大切に思っているか。家事の分担は本当に公平か。どちらかが上に立つのか、対等なのか。

 家庭で起きる問題には、感情的な要素がさまざまに絡んでくる。複数の問題があることに気づき、ひとつずつ処理していかなければ、またすぐに別の問題が浮上してくるだろう。