ある母親が犯した
“お絵描きのルール”
ところが、母親はその行為を叱るどころか、メモ用紙を1枚破ってわが子に渡し、その紙に描くよう促します。
このとき、この母親は、大きな間違いを犯しました。
これを許してしまうと、わが子が、他の子の遊んでいるオモチャを横取りしても、叱ることができなくなります。
わが子が母親の鉛筆を奪い取っているのに、その行為を叱っていないからです。
同じように、わが子のオモチャを他の子に取られても、叱ることができません。“お絵描きのルール”をしっかり教えていないから、こうなるのです。
たとえば、この場面では、あらかじめ子ども用のノート、スケッチブック、鉛筆を用意しておいて、「カヨ子ばあちゃんの顔を描いて」と言ってください。
ただ紙を渡しただけでは、子どもはなにを描いていいのかわかりません。手早くメモを取るママの手を見て、「私もー!」とマネをし、手先だけを早く適当に動かした“グチャグチャ描き”は、まったくなんの意味もありません。