海外旅行傷害保険に
加入したほうが安心

 海外療養費は公的な健康保険の一制度なので、保障範囲は日本で保険適用されているものになる。

 たとえば、美容整形手術、高価な歯科材料や歯列矯正などは対象外だ。差額ベッド料、先進医療の技術料など、もともと健康保険が適用されていないものは請求できない。また、心臓移植などの治療目的で渡航した場合も対象にはならない。また、

 また、JTBのデータをみても分かるとおり、アメリカなど医療費が高額な国で病気やケガをすると、とてもではないが健康保険の海外療養費だけではカバーできない。

 たとえば、ハワイの私立病院で虫垂炎の手術を受けると、入院1~3日で医療費は約186万円かかる(東京海上日動火災保険「世界の医療と安全2010」より)。

 一方、日本の虫垂炎の治療費は入院費用も含めて約52万円(全国病院協会HPより)。高額療養費も適用されるので、70歳未満で一般的な収入の人の自己負担額は9万円程度だ。前述の計算式に当てはめると、海外療養費を申請しても払い戻されるのは約43万円なので、140万円程度が持ち出しとなってしまうのだ。

 こうした海外の医療事情を知ると、やはり海外旅行前には海外旅行傷害保険に加入しておきたいもの。

 渡航先や本人の年齢、ふだんの健康状態にもよるが、医療費が高額なアメリカ圏に行く場合は、万一備えて治療・救援費用が「無制限」のプランだと安心だ。死亡や賠償責任などの補償がセットになった商品だと、保険料が1万円近くなるものもあるが、代理店を通じて必要な補償だけ選べるオーダーメード商品なら保険料を割安にできる。

 数千円をケチって、数千万円の医療費の支払いに泣かないように、海外旅行に行く際には民間の海外旅行傷害保険の加入を検討しよう。