“1450”
これ何の数字かわかりますか?
この数字、実は2014年の年末に世界記憶力選手権で私が制限時間1時間で記憶できた数字の数です。ピンとこないという方、10桁の電話番号だとすると145人分といえばイメージしやすいでしょうか。
ちなみにこの時の私は、40代後半です。
俺はまだこんなもんじゃない!
申し遅れました。私は池田義博と申します。小さな塾を経営している平凡な塾講師でした。2013年の2月3日までは。
元々エンジニアだった私は、父の死をきっかけに家業の塾を継ぐことになりました。その後、月日は淡々と過ぎて行きましたが、心の中では「自分はまだこんなもんじゃない、自分が輝くことができるものが何かあるはず」と思い続けていました。しかし、その何かがわからないまま悶々とした毎日をすごし、気がつけば40代も半ばにさしかかっていました。
そんな時、塾のなかで何か新しいカリキュラムとして使えるものが何かないかといろいろ探していると、偶然、「記憶術」というものに出合ったのです。
それまでは記憶術などというと、何か少し胡散臭いものというイメージがあったのですが、よくよく調べていくと日本はもちろん海外でも昔からある、何かを記憶するためのれっきとした技術であることがわかりました。
当初は塾に導入する目的で始めた記憶術ですが、学んでいくうちに塾そっちのけで自分の能力を磨くことに夢中になってしまいました。
そうこうするうちにこれまた偶然に、世の中には記憶力を競う大会があることを知ることになったのです。
「よし、これは今の自分を試す絶好のチャンスだ!」
と感じた私は人生も半ばにさしかかった今の自分に、どのぐらいの結果が出せるのか試してみたくなり、日本記憶力選手権にチャレンジすることを決めたのでした。