こんにちは。今回も、前回に引き続き、巷にあふれるバズワード(流行語)である「IoT(Internet of Things):モノのInternet」について、書いてみたいと思います。
今回は、最近の我々のグローバル部門がお手伝いをしている事例を、いくつかご紹介します。
工事現場の機材と人員を
効率よく配置する
アメリカのある鉱山採掘会社の事例です。この鉱山採掘会社では、採掘場が非常に広大なため、現場監督が「どこで何が起きていて、どんな対応が必要か」などをリアルタイムに把握することが困難でした。
そこで、採掘現場に設置してある掘削機や監視カメラなど、さまざまな機器にセンサーを組み込んで稼働状況を感知し、クラウドに集積し、現場監督のタブレット端末からモニターできる仕組みを構築しました。作業従事者の稼働状況なども、併せてモニターできるようになっています。
さらにクラウド上に加えた「分析機能」を用いて、稼働状況による機器の点検のタイミングや、故障しがちで交換するべき部品などの事前予測を行い、故障などによる機器の稼働率低下を極力最低限に抑えています。
作業従事者の稼働を含めた、あらゆる状況をリアルタイムに把握できるので、例えば人手が集中的に必要になった場合でも、適切な人材、必要な区域へ迅速に手配することが可能となります。
加えて監視カメラとも連動し、画面をタップすることで、その監視カメラの映像をモバイル端末から拡大して見ることも可能になっています。エンタープライズソーシャルや、パソコンTV電話などもそれらの機能と直結し、作業従事者と会話をしながら作業指示を与えます。
デジタルやクラウドを活用して、最適な仕事の仕方を実現しているという意味では、IoTと(我々の用語でいう)「デジタルワークプレース」が有機的に融合された、新たなかたちと言えると思います。
想像に難くないと思いますが、採掘現場では、作業の生産性がコストと期間、ひいては売り上げまでも左右することになります。言ってしまえば、機器の故障や遊休、作業員の稼働率の低下は鉱山採掘における「生産性」に直結し、数時間のアイドリングは、結果としてコストなどに大きなインパクトを与えます。
この鉱山採掘会社のように業種特化型のIoTでは、一般に10-12%の生産性を向上させ、結果的に、15~30%のコストを抑えることが見込まれています。