レンタルDVDにレンタカー、結婚式のドレスだってレンタル……あらゆる「レンタルサービス」があふれるなか、いま注目されているのが「レンタル家族」なるサービスだ。そう、ついに家族までもがレンタル可能な世の中になったのだ。
「レンタル家族」サービスを行っているのが、「お悩み相談…はげまし隊 ハートプロジェクト」。夫や妻、両親、子どもなどの家族から、友人、恋人、上司といった役割を、派遣されたスタッフが代理する事業を展開している。多様なニーズに応えるべく、ハートプロジェクトには幅広い年齢層のスタッフがいるという。
レンタルの価格は代行する内容にもよるが、半日(4時間以内)で2万円~、一日で(8時間以内)3万5000円~とのこと。1日程度なら、多くても5万円程度で済むことが多いようだ。
しかし気になるのは、このサービスは一体どんなところで需要があるのかということ。ハートプロジェクト代表の市ノ川竜一さんによると、近年はこんな依頼が多いという。
「最近は、リタイアした60代くらいの方からの依頼が多いように感じます。仕事を辞めて、時間ができたけど一緒に過ごす友人がいないので、一緒にカラオケに行ってほしいとか、飲みに行ってほしい、という依頼です。この場合、派遣スタッフの男女は問わないという方が多いですね」
さらにこの「レンタル友人」、意外なところにもニーズがあるという。
「最近は離婚した方からも同様の依頼があります。離婚したんだけれど自分の友達にはまだ明かしていなくて、一緒に遊べる人がいない、という方ですね」
離婚はかなり心身を消耗するうえ、それを人に伝えるのもなかなか労力がいる。何も考えずに気晴らしできる相手が欲しくなるのも、分かるような気がする。
ここまではレンタル友人だが、続いてはレンタル家族が必要になるケースを紹介したい。市ノ川さんによると「謝罪」はレンタル家族が呼ばれるシーンのひとつだという。
「会社などで大きなミスをしてしまって、親と一緒に謝りにいかなければならない、といった場合ですね。謝罪に同行する父親、母親をレンタルしたいという依頼があります」
親を伴っての謝罪というと相当の失態のはずだが……レンタルで済ませていいのかという疑問も浮かぶが、そういった案件も決して少なくないという。