アクティブ運用は悪なのか?

 単一資産の投資信託やバランス型の投資信託は、さらにアクティブ運用とパッシブ運用に分類されます。単一資産の投資信託の場合、市場全体を表すインデックス(例えば、日本株式の場合は東証株価指数)をベンチマークとし、それを上回るリターンを求めるものをアクティブ運用、それと同等のリターンを狙うのをパッシブ運用と言います。アクティブ運用では、より高いリターンを獲得するためのリサーチに費用がかかるため、パッシブ運用より運用報酬が高い傾向があります。アクティブが良いのか、パッシブが良いのかは“神学論争”のようなものであり、正しい答えはありませんが、多くのファイナンシャル・プランナーは費用の低いパッシブ運用を勧めているようです。この背景には、日本株式のアクティブ運用のデータを見ると、多くのアクティブ運用はベンチマークに負けており、アクティブ運用の有効性を示す明確な証拠がないことがあります。

 しかし、市場によってはアクティブ運用が機能する場合もあります。例えば、新興国株式や中小型株式など、比較的投資家が少ない市場ではリサーチによって優位な立場になれるため、そのような市場ではアクティブ運用を実施し、逆に市場参加者が多く、リサーチによって優位性を確保できない先進国の大型株式市場ではパッシブ運用を行うといった考え方もあります。

 また、パッシブ運用ではベンチマークにコストの分だけ確実に負けてしまうことにも注意が必要です。つまり、最初から“負け戦”を想定し、その損失を最小化している戦略であると認識する必要があるでしょう。さらに言えば、市場はアクティブな市場参加者がリサーチをすることでより良い市場になっているのですが、極端な話、市場参加者全員がリサーチをしないパッシブ運用になってしまうと、市場全体の効率性が下がる、つまりリスク当たりリターンが下がってしまう可能性もあります。

 このようにアクティブ運用とパッシブ運用はどちらかが正しいということではないため、私は上手く組み合わせることが必要だと思います。ちなみに、DC先進国のアメリカでは、バランス型においてアクティブ運用とパッシブ運用を組み合わせる動きが出ています。日本では、依然としてアクティブかパッシブかという二元論的な状況となっていますが、今後はこのような投資信託が出てくるのを期待したいものです。