工事費の高騰によるコスト高、東京都心部を中心とした価格高騰、タワーマンションへの税務当局の課税方針転換、そして「杭不足問題」。逆風が吹き荒れる新築マンション市場だが、そんな時にも、買い手が殺到する人気物件は必ず存在するものだ。新しい年に向けたこの時期に、どんなマンションが人気を呼んでいるのか。今からでも買うことができる東京の新築マンションについて、個別にじっくりと見ていこう。

渋谷、目黒、世田谷方面にそびえたつ超高層ビルの半分は、いまや居住用のタワーマンションとなっている

東京の人気マンションの条件は、
純都心立地&強固な地盤&駅近

 2011年4月以来、今回で15回目となる「人気マンション調査」。住宅評論家の櫻井幸雄氏が、「週刊ダイヤモンド別冊」の新築マンション特集号で継続している目玉企画の1つだ。

 この調査では、「人気」を測るバロメーターとして、資料請求数とモデルルームの来場者数に着目している。ただ、モデルルーム開設後に調査するため、雑誌掲載時にはすでに完売という物件がどうしても出てしまう。

 そこで、より早く人気の物件を知ることはできないか、と新たに始められたのが、モデルルームができる前の資料請求数から割り出した「事前人気指数」という指標だ。「事前人気指数」が2以上の物件を「事前人気マンション」として掲載している。今回で3度目の調査となる。

 ここでは、発売中の「週刊ダイヤモンド別冊」2016年1月17日号に掲載された「事前人気マンション」のうち、東京の上位人気物件について見ていきたい。すでに一部売り出しが始まった物件もあるが、これからまだまだ購入は可能となっている。

 東京の人気ベスト5に入ったマンションは、調布市の1件を除き、千代田区、文京区、港区と、いずれも山手線内の純都心立地だった。海抜30メートル程度の台地上にあり、地盤が強固で水害などの影響も受けにくいという点も共通している。

 さらに、閑静な住宅街にある1件を除けば、駅から徒歩5分以内の駅近物件である点も特徴的だ。

 なお、「事前人気指数」は資料請求数を総戸数で割って算出するため、総戸数の比較的少ない物件が上位に来る傾向にある(調査の詳細については、「週刊ダイヤモンド別冊」2016年1月17日号をご参照いただきたい)。