「週刊ダイヤモンド別冊」の新築マンション特集号では、住宅評論家の櫻井幸雄氏が算出した「事前人気指数」(モデルルームができる前の資料請求数による)で、指数2以上の物件を「事前人気マンション」として掲載している。現在発売中の「週刊ダイヤモンド別冊」2016年1月17日号に掲載された「事前人気マンション」のうち、今からでも買うことができる東京の新築マンションについて、個別にじっくりと見ていこう。

縄文時代からの住宅地が人気の理由 <br />今から買える東京人気マンションランキング【3位&2位】前回調査(「週刊ダイヤモンド別冊」2015年9月27日号)で一番人気だった「クレヴィア文京小石川」(伊藤忠都市開発/事前人気指数30.4)

「四谷」駅に最も近いマンション
純都心の複合型一帯開発

 前回は、事前人気マンションの第5位と第4位の物件を取り上げた。千代田区三番町の純都心物件と調布市布田の郊外駅近物件という対照的なマンションだった。

 今回は、第3位と第2位の物件を見てみよう。いずれも三菱地所レジデンスの山手線内にある純都心マンションである。これで、三井・住友・三菱と旧財閥系が出揃った。大手デベロッパーブランドへの信頼感に揺るぎはないようだ。

 第3位は「ザ・パークハウス千代田麹町」(三菱地所レジデンス/17階建て77戸)。JR中央線と東京メトロ丸ノ内線・南北線が交わる「四谷」駅から徒歩2分圏内の新築マンションとしては、実に22年ぶりの物件となる。事前人気指数は23.4。新宿通りを挟んだ向かい側には上智大学があり、そこでは新棟6号館(ソフィアタワー)の建設が進んでいる。

 一番の特徴は等価交換事業による複合型の物件である点だろう。1階の店舗、2~5階の事務所はいずれも事業協力者の所有となる。麹町地区の地区計画では、「教育施設や住居に配慮しつつ、業務・商業施設と住宅が共存・調和し活気ある市街地の形成を図る」という内容の方針が示されているため、こうした物件は珍しくはない。

 全77戸のうち、事業協力者住戸が18戸含まれている。間取りは1LDK~4LDKとバリエーションに富むが、71~133平方メートルの3LDKと4LDKが全体の6割を占め、次いで50平方メートル台の2LDKとなる。ファミリー層の実需とリタイア層の居住・セカンドハウス需要を主な顧客ターゲットとして想定しているようだ。

 隣の「市ヶ谷」駅近にある三井不動産レジデンシャルの三番町の新築物件が今回の人気マンションランキングの第5位となった。2016年1月下旬から発売開始を予定している同じ千代田区のこちらの物件の学区は麹町小学校である。

 

縄文時代からの住宅地が人気の理由 <br />今から買える東京人気マンションランキング【3位&2位】オフィスビルが建ち並ぶ新宿通り沿いで工事が進む「ザ・パークハウス千代田麹町」。店舗や事務所との一体型複合マンションであり、「建築計画のお知らせ」には、外観図や配置図も表示されていた