今年もいよいよ残りわずか。クリスマスが終われば大晦日、そして新年と、あっという間に2015年が過ぎ去っていく。毎年思うことだが、年々時が経つのが早くなっていくように感じる。一説では、年をとると新しい経験が少なくなっていくため、時間が過ぎるのが早く感じられるそうだ。きっと2016年も、今年より早く過ぎ去っていくのだろう。
今年5月に始まった当連載も、早いもので17回目を迎えた。これまで散々「めんどい人々」の面倒臭い言動を紹介してきたわけだが、半年以上連載を続けているといい加減、めんどい人々に怒るのも面倒臭くなってきた。めんどい人々に出会ってもイライラせずになんとか怒りを鎮められないものか。今回は怒りを覚えた時の対処法を考えていく。
カズの神対応に賞賛の嵐
“怒り”に関して、こんな調査結果がある。日本アンガーマネジメント協会は、今年初めて「アンガーマネジメント大賞2015」なるものを創設した。この賞は、「上手に怒りの感情をコントロール・対応したと思う有名人」をアンケート調査などによって選出するもの。栄えある初めての大賞に選ばれたのが、サッカー選手の三浦知良氏である。三浦氏と言えば、長年日本のサッカー界を牽引し、今なお現役を貫くレジェンド的存在だ。
しかし、そんな三浦氏に“ご意見番”からイチャモンがついた。報道番組「サンデーモーニング」に出演した張本勲氏が三浦氏に対して「もうお辞めなさい」と発言し、事実上の引退勧告を行ったのだ。
これにはいつも温厚な三浦氏もご立腹と思いきや、「『もっと活躍しろ』って言われているんだなと思う。『これなら引退しなくていいって、オレに言わせてみろ』ってことだと思う」と切り返し、張本氏からの“苦言”を“叱咤激励”と解釈する大人の対応を示した。アンケートの回答者からは、「張本氏にも恥をかかせなかった」(20代/男性)「反論するのではなくポジティブな対応をした」(50代/女性)などの意見が寄せられたという。まさに「あっぱれ!」である。
当然、三浦氏も張本氏の発言に憤慨しただろう。悔しかっただろう。しかし、張本氏はプロスポーツ選手としての大先輩。自身の怒りをコントロールしただけではなく、張本氏の顔をつぶさずに、むしろ花を持たせた形となった三浦氏の対応は、確かに「大賞」にふさわしいものである。