中国は大きな不安要因にはならず
米国経済には既にピークアウトの気配

 昨年、世界経済を大きく攪乱した中国は、2016年には大きな不安要素にはならないだろう。共産党政権が経済構造の変化を目指す以上、もう2ケタ成長に復帰することはないだろう。

 中国経済は過剰債務や過剰設備など構造的な問題を抱えてはいるものの、今のところ共産党政権のグリップが効いており、短期的にそれらの問題が暴発する可能性は低いと見られる。緩やかに成長率を下げながら、経済のソフトランディングを図ることになる。

 ただ、同国の株式市場は個人投資家が多く株価が乱高下しやすい。景気対策に対する期待が先行して株式バブルが発生する場合には、2015年の年央以降と同様、中国発の世界的な株価下落が起きることも想定される。

 一方、米国経済の先行きにも無視できない不透明要因がある。一つは、FRBの金利引き上げによって住宅や自動車のローン金利が上昇し、個人消費の足を引っ張る懸念だ。

 今まで堅調に推移してきた住宅や自動車の販売が、金利上昇に耐えられるか気になるところだ。足元で、住宅に関する経済指標にややピーク感が出始めており、米国の専門家の中にも懸念を抱き始める見方もある。

 また、ドル高の影響もあり、輸出の動きが鈍くなっていることも懸念材料の一つだ。世界的な資源価格の下落に伴い資源やエネルギー関連企業を中心に、米国企業の業績は2015年の年央以降やや陰りが目立ち始めている。

 今後、2009年夏場から回復基調を続けてきた米国経済に、循環的要因から息切れ感が出てくると、企業業績のピークアウト感が個人消費の足を引っ張る可能性が高まる。そうなると、米国に世界を牽引する役割を期待することが難しくなる。