グループ転職5つの留意点

 グループ転職を行うに当たって注意すべき点が大まかに言って5つある。

(1)本当に辞められるかの確認
(2)辞めた後の会社の対応の予測
(3)全員の移り先の確保
(4)転職後の役割に関する全員の合意
(5)個々のメンバーのその後の自由に関する合意

留意点(1)本当に辞められるかの確認
会社に損害を与えるグループ転職は難しい

 さて、グループ転職には、転職される会社の側からすると、ひとまとまりのビジネスを失いかねないリスクがある。また、社員は、ビジネス倫理として少なくとも意図的に会社に損害を与えてはならないし、損害の性質と規模によっては、後に損害賠償の請求が起きたり、退職自体が不可能になったりする場合がある。

 個人レベルでは行使できるはずの職業選択の自由も、集団で行使しようとした場合に、困難になることがあるのだ。

 一つの部署の主要メンバーが丸ごと同時に転職するような場合に、会社に損害を与えることが明らかだという理由で、グループ転職が実現できないケースがある。まずは、メンバー個々の会社との契約(特に外資系企業の場合)や就業規則を確認する必要があるし、場合によっては、弁護士に相談して、法的にストップがかかる可能性がないかを確認する必要がある。

 SMAPは企業としてのジャニーズ事務所にとって、「収益を稼ぎ出す一部門」なので、メンバーが集団で離れるに当たっては、本当にそれが可能なのかどうかを周到に確認しておく必要があったはずだ。

 どのような条件なら事務所が独立あるいは移籍を認めるのか、筆者には分からないが、一定のメリットを与えるなり、金銭を支払うなり、事前に円満な合意を形成しておくべきだったかもしれない。例えば、「SMAP解散」のツアーを大々的に行って、事務所に収益を稼がせることを条件に、円満な独立を認めてもらうといった交渉が必要だったのではないだろうか。