4Kに触れる機会がなければ
消費者に良さを分かってもらえない

 特徴は、板東氏が自らのコネクションをフル活用し、4Kコンテンツを準備していることだ。板東氏は再度、「4th MEDIA」事業開始時を振り返る。

「新しい技術は半信半疑で迎え入れられます。例えば当社が『4th MEDIA』を開始するにあたって、ハリウッドでコンテンツを調達した時には、米国から担当の方がわざわざ当社に来られ、コンテンツの管理や配信方法等について査察を受けました。『インターネットで放送する』という字面を見て、不正コピーされる可能性があるのではないかと心配になったようです。そこで、クローズドな回線だから著作権は適切に管理される、と説明すると、放送機器をチェックして帰られました。新技術の普及には、信頼関係も必要なのです」

 4K普及活動にも力を入れる。たとえば、NTTドコモとの関係を元にして、ドコモショップに4Kテレビを設置してもらっている。また、4Kテレビの売上を伸ばしたい主要家電メーカーと連携し、4Kテレビに「ひかりTV」のチューナーを搭載してもらっている。

 映像制作の専門学校を訪問し、学生が4Kならではの映像を企画制作し、コンテストを行う「ひかりTV 4Kクリエイターズチャレンジ」も実施。さらには、『4K Girls』というキャンペーンガールも立ち上げ、4K映像の普及に向けPR活動の展開を始めている。

 こうして4K映像に触れるきっかけを用意しておけば、人は、技術の進化を享受しようとする。そして、4Kコンテンツを見ようとしても、現状、地上波では無理。有料放送の中で、コンテンツの多さは「ひかりTV」の独壇場だ。

 だが疑問もある。同社は4Kで視聴しても、別料金を課金することはない、と明言している。ならば4Kサービスを開始したところで、コンテンツ調達に伴うコストは回収できないのではないか?

「短期的には難しいと思います。しかし、長期的な視点で見て『この事業は進めるべき』と考えました。『いつか必要とされるものは、先につくっておく』。それがインフラ企業の使命であり、インフラ企業が勝つために必要なことだからです。当社にできる精一杯のことを実施し、この中から『4Kだと、こんなものが見られるのか』と話題になるコンテンツが生まれれば、普及は進んでいくと思います」

 4Kの未来やいかに。