個室のプライベートジム、講師とのマンツーマンレッスン、24時間営業のセルフ型ジム――。最近、こういった特色のあるフィットネスジムを都市部で見かけることが増えた。

 ジムと言えば、一昔前はプールやトレーニング器具を備えた大型施設が主流だった。いわば統合型のジムだ。しかし、日本人の生活形態が多様化するにつれ、ここ数年、機能を絞り込んで専門性に特化したジムが増加している。有名タレントを起用したCMで話題となったダイエット専門ジムや、ストレッチ専門店、スパ重視の施設など、細分化の波が加速している。

ライザップの次は「定額制通い放題」ジムがブームの兆しライザップが火をつけたスポーツジムのマンツーマン指導ブーム。次なる流行は「定額制通い放題」だ

 そんな状況を背景に、今、フィットネス業界で伸びているのが「サブスクリプション型」のサービスである。

 サブスクリプションとは定額制の意味で、使い放題を表す言葉。映画やドラマを見放題、電子書籍を読み放題という文化面のサービスはかなり定着してきたが、これらと同様のビジネスモデルがスポーツ業界に導入され、成長を遂げている。

Lespas(レスパス)は、定額制の先駆者だ。月額9800円で登録ジムのレッスンに好きなだけ通うことができる。登録されている施設は1500ヵ所以上(2015年1月18日現在)。500種類以上のレッスンを受けることができる。

 ヨガ、ピラティス、ストレッチ、大人向けバレエ、ダンスといった人気どころから、ボルタリング、ボクシング、カポエイラ、ブラジリアン柔術、居合といった個性的なものまで幅広い。興味あるレッスンを見つけたら、ネットから予約するだけでOKだ。

 利用者に聞いてみると、「好きなときに、好きなアクティビティーを選べるのがいい」「飽き性なので、いろいろなレッスンに参加して楽しんでいる」「最初はゴルフレッスンが目的だったが、ゴルフ上達のためのヨガがあると知り、今は組み合わせて参加している」と動機も感想もさまざま。

 施設側にとっても、何か運動をやってみたいという消費者への「お試しサービス」として位置付け、活用が広がっている状況だ。