菅直人首相の誕生は株式市場にプラスとなる可能性ありと見ているが、それには条件がある。どうなれば、政治・政策が株高につながるかについて考えてみたい。
過去3回の国政選挙では、改革志向の小泉純一郎首相率いる自民党が圧勝した2005年の衆院選後に株式市場が急騰したのに対し、バラマキ色の強い民主党が勝利した07年の参院選、09年の衆院選後はいずれも下落した。
選挙結果だけで株価が決まるわけではないが、この3回の事例を踏まえれば、株式市場にとって望ましいのは改革路線ということになる。
そのための条件は2つある。1つは民主党が改革路線に転換すること。もう1つは民主党の単独政権、または改革志向の政党との連立となることだ。
ただし、小泉政権期と現在では求められている政策に違いがある。小泉政権は不良債権処理など過去の問題への対応が求められたが、現在では法人税減税や官民一体のインフラ輸出など将来のための成長戦略への取り組みがより重要となっている。