仕事に徹するリーダーほど、
「何もしていない」ように見える

とはいえ、「社長トーク」に出演していただいた経営者の方々を見ていても、いまは「人をついてこさせる」とか「メンバーを使う」といった、ある種の「上から目線」を連想させるような言葉遣いをする人はまずいません。

先頭に立ってグイグイとみんなを引っ張っていく」というよりも、「そこに座って思いを伝えているうちに、みんなが自然と動いてくれている」というイメージのリーダーが多いのです。

ビジョンに基づいてメンバーが自律的に動くチームをつくれれば、リーダーは現場への指示に時間を奪われなくなります。そこで生まれた時間を使って広く世の中を観察し、次なる展開を考え、変化に備える―こうした好循環を生み出し、メンバーとともに成長する組織をつくることこそが、これからのリーダーの仕事です。

組織やチームの誰よりも静かに考え続けること。
未来を見つめ続けること。
そんな「本来の仕事」にリーダーが徹すれば徹するほど、その姿は「何もしていない」ように見えるのです。

(第4回へつづく・明日公開予定)