理屈はいらない! とにかくマネろ

「かばん持ち」をしているときも、星社長は、行く先々で、
「今、何を見ていたのですか」
「今、何を感じたのですか?」
 と何度も質問をしてきました。

「なぜですか」と素直に聞ける社長は優秀です。自説にとらわれている社長よりも、実績を出している人の言うことを「はい」と聞いて、すぐに行動する素直な社長のほうが成長します。

「『かばん持ち』は、小山さんを疑似体験できる時間だから、自分で勝手な解釈をするのはやめました。『小山昇は何を、どう考えるのか』をつかむことが大事なのであって、『僕がどう思ったか、僕がどうしたいか』は二の次でいい。『かばん持ち』は、自分の考えにとらわれず、小山さんの『コアの部分』を学ぶ格好の機会でした」(星社長)

 ほとんどの社長は、人のマネをしたり、「自分の考えを持たず、人の考えに従う」ことを恥ずかしいと考えます。
 でもそれは、違う
 自分の考えどおりにやって失敗するほうが、よほど恥ずかしいし、成果が出ている人のマネができないほうが、よほど恥ずかしい。
 がんばって成果を出せない社長より、「人の言うとおりに実行して、成果を出す社長」のほうが、正しいです。

<著者プロフィール>
小山 昇
(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を毎年増収増益の優良企業に育てる。2001年から同社の経営のしくみを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、600社以上の会員企業を指導しているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回以上の講演・セミナーを開催。1999年「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。
2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。
『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』(以上、ダイヤモンド社)、『99%の社長が知らない銀行とお金の話』『無担保で16億円借りる小山昇の“実践”銀行交渉術』(以上、あさ出版)、『【増補改訂版】仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】
http://www.m-keiei.jp/