女性だけのチームで
女性だけで決める

 サウジの女性商工会議所メンバーたちと交流を深めるなかで見えてきたのは、女性しかいない環境で仕事をしている女性には、「男性のサポートをする」という意識がそもそもなく、それぞれがそれぞれに適したポジションで責任を発揮できるということです。
「女性は男性のサポート」という刷り込みは、男性と女性が一緒に働いているからこそ生まれます。仕事の環境に女性しかいなければ、女性でもリーダーとしての役割をごく自然に担うことができるのです。

 ですから、もっと女性に活躍してもらいたいのであれば、日本でも、まずは女性だけのチームをつくり、女性だけで考え、決めていくプロジェクトをつくってみるのもいいかもしれません。
 しかし、それはチームをつくるだけでなく、通常のプロジェクトと同じ基準で結果責任を問い、成果を判断することが不可欠です。
 意識を変えるためのこんな環境づくりも、リーダーの役割です。

 サウジアラビアでは、いくつかの女子大学も訪問し、女子学生たちに向けて日本の女性の活躍状況などをデータとともに話しました。
 出産・子育て時期に女性の就業率が谷を描く、いわゆる「M字カーブ」のグラフを見せたところ、女子学生たちから「なぜ日本人女性は、出産・子育てで仕事を辞めなくてはいけないのですか?」という質問がありました。