「国・会社にお願いする」から
「ないなら自分でつくる」へ

 保育所や就労時間などの事情を説明すると、さらに学生たちからは「どうして原因がはっきりしているのに、解決しようとしないのですか?」「保育所が足りないならば自分たちでつくればいいし、もっと就労時間の融通が効く職場をつくればいいのでは?」という意見が次々に出ました。
 日本では、そうした環境改善を政府や雇用主に対して要望することが多いですが、彼女たちが疑問に思っていたのは、「政府や会社に期待するのではなく、なぜ課題を解決する事業を、自分たちで起こそうとしないのか?」ということでした。

「世の中にないならば、つくればいい」―これはまさに起業家の発想です。サウジアラビアのある女子大の学長は、「我が大学は、Job Seeker(就職先を探す人)を育てるのではなく、Job Maker(仕事を生み出す人)を育成することを目的にしています」と言い切っていらっしゃいました。
 誰かに改善を求めるのではなく、自分たちで改善策を見つけ出し、実行する。それは女性に限らず、およそあらゆるリーダーに必要な精神です。

(第22回へつづく・3月16日公開予定)