3月26日、北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業する。しかし、昨年開業した北陸新幹線とは違い、盛り上がりに欠けている。その理由はどこにあるのだろうか?
開業直後の予約率は25%止まり
首都圏から客を取り込めない難しさ
開業後、9日間の平均指定席予約率は25%。「北海道新幹線は、盛り上がらないのではないか」とささやかれてきたが、数字もそれを裏付けた格好だ。昨年開業した、東京と金沢を結ぶ北陸新幹線とは何が違うのだろうか?
「一大消費地である札幌が未開通のままなことが最大の要因」。あるJR関係者は、こう分析をする。
今回開通するのは、新青森~新函館北斗間。札幌までが開通するのは、なんと2031年春の予定だ。
新函館北斗~札幌は在来線特急「スーパー北斗」や「北斗」で3時間半もかかる。札幌~函館間は飛行機も運航されているほど。北海道は広いのだ。
新幹線vs飛行機の戦いでは、「4時間の壁」が勝敗を左右すると言われている。片道4時間以内であれば、新幹線は飛行機と勝負する余地がある。東海道・山陽新幹線で言えば、東京~広島間までだ。しかし4時間を超えると、どんなに空港が市街地から遠かろうと、飛行機に軍配が上がる。
東京~新函館北斗はちょうど4時間だから、ギリギリ「4時間の壁」をクリアしている、との意見もあるが、問題は新函館北斗止まりであること。北海道の代表的都市・札幌に行かない限り、東京からのお客の誘致は期待できない。彼らは今まで通り、飛行機に乗って札幌に行くだろう。
「ビジネスでも需要は大してないはず。せいぜい、仙台や盛岡など東北の各都市からの観光需要を開拓するしかないだろうが…」(同上)。
一方、北陸新幹線の場合、東京~金沢間は約2時間半。これだと飛行機と十分に戦える。実際、特急時代と比較すると、乗客数は約3倍に伸びた。これはひとえに、日本最大の都市・東京をマーケットにできる距離だったからだと言える。