博士自ら、自身の作品の中で最も重要な作品と公言していた『ザ・チョイス』では、ジョナという名前はもはや使われていません。博士は実名で登場し、愛娘のエフラットとの会話を通じ、明晰に考えることとはどういうことかを真正面から議論しています。

 このように博士は、生産、問題解決、そして人生と範囲を広げ、「思考プロセス」を進化させ続け、いわば「ゴールドラット思考プロセス」として集大成させたのです。

人が明晰に考えることを阻む4つの障害

 ところで、人が明晰に考えることを阻む障害とは何でしょうか。博士は、次の4つの障害を挙げています。

・ものごとを複雑だと考える
 ・人のせいにする
 ・対立は仕方がないことと考える
 ・わかっていると言う


 博士が生涯をかけてたどり着いた結論。それは、「思考プロセス」のツールを活用し、これら4つの障害を乗り越えることで、明晰に考えることができるようになり、人は誰でも充実した意義ある人生を過ごすことができるというものだったのです。

  そういう意味においても『ザ・ゴール2』は、まさに博士の人生の目標そのものが詰まった作品といえるのではないでしょうか。

 その『ザ・ゴール2』が、このたびマンガ化されました。前作に引き続き、日本人読者により身近に感じてもらえるよう、舞台設定を架空の日本企業・ユニコ社に置き換え、日本の事情に合うようにストーリーを原作に意図に忠実に翻案。そしてTOCの最新の知識体系も盛り込まれています。

 ぜひ、『ザ・ゴール2 コミック版』もご一読いただければ幸いです。