■仕事編
・時間内で成果をあげられるようなやり方にシフトする(時間の有効活用)
・ワークシェアとして部下に権限を任せるなど育成をかねて部下の仕事スキルを上げる
・会議の時間を短縮する(会議の目的を明確にし効率的に行う)
・上司や人事に介護の状況を定期的に報告する
・仕事の見直し(本当に必要な仕事なのか、自分じゃなければできない仕事か
どうやったらもっと効率が上がるか、問題点は誰と解決できそうか)

 介護と仕事を両立させるということは、仕事の生産性を上げていくということでもあります。たとえば、急に休まなければならなくなったり、デイケアのお迎えなどで早く帰ることが必要になったり、介護によって、子育てと同じような予期しない制約ができます。今までよりも働く時間を短くしたり、予期せぬ仕事の中断にも対応できるようなスケジュールや体制を作っておかなければなりません。これは、単位時間当たりの成果を大きくすることや、組織としての余裕をつくるということにもなります。

 こうした両立の実現のためには、これまでの働き方を変えるという選択肢を避けては通れません。生産性をあげることにもつながる、と考え、今の仕事のやり方や手順を見直し、改善し、人とシェアしたりすることが求められます。

 それから、自らのキャリア全体を俯瞰してとらえることも重要です。数年前に65歳雇用が義務化され、将来的には70歳現役、生涯現役ということが言われる時代になりました。自分が高齢期を迎えたときに、今と同じよう労働時間、仕事量がこなせるのか、管理職の方であればいつかは後進に道を譲り、プレイヤーとしての役割も求められます。家族の介護をきっかけに前向きにとらえ、こうした来るべき自らのキャリアの転機に対応するための準備とも考えることができます。自分以外にも自分の仕事をやってもらえるようにしておく、若手の成長を支援する、後継者を育てるなど、50歳代以降ではこうした役割が求められる職場も多いはずです。

 今回の浅野さんの介護は、まだ始まったばかりです。この先、状況が変わっていくとまた新たに整理したり考えなければならないこともあるでしょう。

 介護は決してきれいごとだけではすまされません。

 でも、今、もし介護の問題が目の前にある人もどうか自分をあきらめないでください。これまでの働き方や自分の本当にしなければならない役割などを見直すいい機会と前向きに捉えて自分のキャリアを再構築していく、そんなタイミングだと思うことも、今のあなたに必要かもしれません。