自分の都合だけで
退職日を決めてはいけない

 では、きちんと退職するにはどうすればよいのか考えてみましょう。一般的には、まず上司に口頭で報告ないしは相談し、その上で不義理にならないよういろいろな方に報告をして、最終的に退職届を書いて会社に提出するという流れになります。

 メールで退職の申し出をしてよいかという議論を目にすることがありますが、これはそれぞれの会社の文化によるでしょう。普段からフォーマルなやり取りもメール上で行っている会社なら問題はないかもしれません。

 ただ50代や60代のトップがいて、その下に30代、40代、50代の管理職がいるような一般的な組織であれば、上司には直接口頭で報告したほうがよいと思います。「なぜ退職という大事な話をメールでするのか」と思われてしまうからです。

 一方で、転職活動時から周囲に迷惑をかけないタイミングを探った上で辞める時期を決め、後任者への引き継ぎや関係各所へのあいさつを退職日までに済ます必要があります。普段からよい仕事をしていれば、後任者をお客様のところに連れていくと「この人には本当にお世話になったんだよ」と褒めてもらえることもあるでしょう。

 退職を申し出ることで、上司や経営幹部と関係が一時的に悪くなることはよくあります。しかし、迷惑をかけないようきちんと引き継ぎをして、お客様からお褒めの言葉も出れば「彼はすごいね」「彼女はしっかりしている」と周囲からは改めて評価されるはずです。悪くなってしまった上司との関係も大抵の場合、時間が解決してくれます。

 引き継ぎもせず、自分の都合だけで退職日を決めるような辞め方はダメです。繰り返しになりますが、会社に迷惑をかけないタイミングを探った上で辞めるのが、義理を果たすということなのです。突発的に辞めて姿を消すなんてもってのほか。

「あの人はみんなに迷惑をかけて辞めていった」といった悪評はすぐ広がるので、とくに同じ業界や近い業界に転職する人には後々不利に働く可能性もあります。