知らないとソン!
「届け出」だけでもらえるお金がある
公的年金も申請が必要だ。「65歳になったら自動的に振り込まれるのだろう」と思っている人がいるが、実際には請求手続をしなければ年金は受け取れない。
また、転職経験がある人の場合、年金の「もらい忘れ」が発生する場合もある。たとえば、企業年金制度を持つ企業に勤めていたことがあり、企業年金への加入期間が10年未満でも「中途脱退者」として企業年金連合会から年金を受給できる。
加入期間が10年以上の場合、企業年金が解散したら「解散基金加入員」「終了制度加入者」として企業年金連合会から年金を受給することになる。
しかしこれらのケースも、自分で申請することが必要だ。
ほかにも、「申請しなければもらえないお金」は多い。逆に言えば、届け出さえだせば、もらえるお金は案外多いものだ。
日本の社会保障制度や福祉制度には優れたものがたくさんあるが、制度を知らず、利用する力がなければ“宝の持ち腐れ”である。
こういった話をすると「申請しないともらえないなんて、そんなひどい話があるのか」と怒る人もいる。
だが冷静に考えれば、振込先も知らせていないのに自治体からお金が振り込まれることはありえない。社会保障や福祉の制度が「申請主義」なのは、ある意味では当たり前のことだ。