高額な医療費がかかったら
使える制度はないか調べてみる

私がFPとして家計の相談を受けていると、ときに「大きな病気をして今年は医療費がたくさんかかった」という人がいる。

そこで高額療養費の申請をしたかどうか訊ねると、「医療費で確定申告するやつですよね?」などと言われることが少なくない。

これは「医療費控除(いりょうひ・こうじょ)」の話で、「高額療養費制度」とは違うものだ。もちろんこの「医療費控除」も自分で確定申告しなければ税金は戻ってこない。

こういった仕組みを知っている人は「高額療養費制度」を使って自己負担を減らし、さらに翌年に「医療費控除」の確定申告をして税金を取り戻すことが可能であり、まさに知らないとソンということになる。

この「医療費控除」を一言で説明すれば、医療費が原則10万円を超えた場合に確定申告をすれば、税金が戻ってくるという制度。しかし、正しく知らないために十分に利用できていないケースも多い。

たとえば退職後に大病して医療費が多くかかってしまったとき。
「もう働いていないから(もしくは、あまり収入が多くないから)税金もそんなに払っていないので、医療費控除は受けられない」という人がいる。

しかし、医療費控除の金額は「世帯の合算」ができる。配偶者や子どもなど生計を同じくする人の中に働いている人がいるなら、その人が確定申告をすればいい。もちろん、いちばん多く税金をおさめている人が確定申告した方が、戻ってくる税金も多い。

これはアドバイスすると「そうなんですか?」と驚かれることが多いポイントだ。