『週刊ダイヤモンド』5月28日号の第一特集は「慶應三田会 学閥の王者」です。特集では様々なデータから慶應義塾大学の卒業生組織「三田会」の強さに迫っています。その特集に盛り込んだデータや、残念ながら盛り込むことのできなかったデータを中心に紹介していきます。第1回は三田会の力の源泉となる「寄付金」に注目します。(『週刊ダイヤモンド』データ分析担当 小島健志)
申し込み件数が約5万件、金額にして285億円――。
これは、慶應義塾大学が「創立150年」の事業向けに集めた寄付金の総額です。横浜初等部の設立や大学病院の新病棟建設などに充てられました。
この金額からも分かるように、もともと慶應は、日本の他大学に比べて寄付による集金力が強いのが特徴です。
実際、2014年度の寄付金収入は86億円と、早稲田大学(36億円)の2倍以上に及び、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政、総計24億円)が束になっても届かない金額です(決算、帰属収入ベース)。
その大きな要因は、慶應の創設者である福澤諭吉による「社中協力」という助け合いの理念の下に、慶應のOB・OG組織「三田会」が活発な集金活動をしていることにあります。
三田会の元締めにあたるのが「慶應連合三田会」です。およそ35万人の会員組織で、傘下には862の様々な団体が活動をしています。
例えば、毎年の卒業生を束ねた「年度三田会」や、企業のインナーで活動する「企業三田会」、業界・業種ごとに集まる「職域三田会」があります。他にも、地域的なつながりで結ばれた「地域三田会」など幅広いネットワークがあるのです。
三田会そのもの実態については本誌に譲りますが、ここでは「創立150年」の記念事業に寄せられた寄付金に着目します。
寄付金額で上位に入る三田会の多くは、集金できる組織力を持っており、組織の活発性や慶應との関係の近しさも見えてくるからです。
さて、一部公表された寄付者データを基に寄付金額順に並べた「三田会寄付金ランキング」(「創立150年寄付金総合ランキング」)がこちらです。