太陽電池で中国勢が猛烈な価格競争を仕掛ける構図は液晶と変わらず、勝機は見いだしにくい(太陽電池を生産するシャープの堺工場) Photo by Masaki Nakamura

 週明けの5月23日。シャープの社員に向けて、高橋興三社長と、鴻海精密工業(ホンハイ)の戴正呉(たいせいご)副総裁の署名が入った、ある談話が発せられた。

「出資に関する最新状況について」と題し、(1)6月末の出資完了を目指す(2)保証金1000億円のうち、約200億円を新規ディスプレイの開発設備に充てる(3)電子デバイス事業に300億円を投資することを検討する──などと突如として表明してみせたのだ。

 シャープ社員に依然として渦巻く、ホンハイへの不信感を払拭する狙いだったとみられるが、それにしてはあまりにも内容が薄っぺらく、出資実現の説得力に欠けるものだった。

 上滑りのメッセージは、ほかにもあった。

「シャープの現有カンパニーについては、事業撤退を行わないことを、両社は出資契約で合意している。太陽電池事業の再建についても、種々の方策を検討しており、黒字化の手応えを得ている」という文章だ。

 5月25日に、取引先企業などに向けて発表した談話でも、太陽電池事業について「完全にコミットしている」「事業の競争力強化にまい進する」と事業の継続をアピールしたが、一連のメッセージを受けて、胸をなで下ろした関係者が一体どれほどいたのか疑問だ。