「引きこもり」の人たちの多くは、働きたくても体が動かない。そして、不安や対人緊張などから、なかなか社会に出られずにいるが、事実上放置されたまま、高年齢化、長期化している傾向も浮き彫りになってきている。

 しかし、「引きこもり」に対する内閣府の調査でさえ、30代が半数近くと最も多かったにもかかわらず、39歳までのデータしか採っていないため、40歳以上の「引きこもり」の実態については、いまも全体像が明らかにされていない。

 様々な事情で社会から離脱し、「引きこもり」生活を送る人たちは、妻(夫)がいた場合でも愛想を尽かされたりしていて、結果的に親元で同居していることが多い。

 そんな彼らにインタビューすると、親も高年齢化やリストラなどによって会社を退職。すでに年老いた親は年金生活に入っていて、本来なら現役世代のはずの人たちが働くことのできないまま、収入の多くを親の年金に頼っているという実態である。

「親には生きていてもらわないと困る。年金の収入がなくなってしまうから…」

 ある「引きこもり」当事者は、そう漏らしていた。

 家族は、そんな彼らの存在に対して“家の恥”という思いもあるのだろう。地域の中で知られないよう、こっそり隠そうとするために、家族そのものが地域から離脱していく。

 誰にも相談できないし、黙っていると誰も助けてくれない。そして、その家族関係の中さえも崩壊していることが多い。

 家族も個々も地域の中で孤立している。「消えた高齢者」の問題と「引きこもり」の問題は、根っこが同じなのではないか。