「欧州連合(EU)離脱派は、髪形がましなトランプではないか」──。英紙「テレグラフ」はそんな論評を掲載していた。

 米大統領選挙で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏の支持者と、英国におけるEU離脱支持者との類似性が欧州で話題になっているのだ。大西洋の対岸で共通しているのは、経済的に苦しむ白人中間層に鬱積している不満を巧みにくみ取る、ポピュリズム的な政治の台頭である。

英南西部ブリストルに現れた、英国のEU残留派が描いた巨大な壁画。トランプ米大統領候補(左)とジョンソン前ロンドン市長(右)がキスを交わしている Photo:Press Association/アフロ

「テレグラフ」は世論調査を基に、EU離脱派の典型的人物像を描いた。英国東部などの地方に在住する60歳超の男性で、高卒、熟練工員のイメージだという。

 そういう人々の中には、東欧から来た低賃金の勤勉な移民のせいで賃金が上がらない、あるいは仕事を奪われたという不満を持っている人が多い。米国中西部の白人中間層が中南米からの移民を嫌がる傾向と似ている。

 他方、EU残留派の典型例は、大卒の若い世代で、上級・中級管理職、または医者や弁護士などの専門職だそうだ。彼らはグローバリゼーションが英経済を成長させてきたと信じている。同様の傾向は米国沿岸部の大都市に住む専門職の人々にも見られる。

 EU離脱派のリーダー的存在であるボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、トランプ氏の戦略を見習っているのか、多少の事実の曲解はいとわずに有権者ウケを狙った過激な発言を繰り返している。