本当に優秀な人材を評価する制度

多田 これらの施策を実行できる背景には、サイバーセキュリティ技術者のキャリアパスが定義されているからではないかと思うのですがいかがでしょうか。

龍野 当社には18年前から「NEC Certified Professional」という人材のキャリア形成・育成制度があります。

 この制度はICT事業に関する様々な人材タイプ毎にレベル規定し、これに基づき認定する制度です。人材タイプは数十あり、プロダクトやインテグレーション、プロジェクトマネジメント、アフターサービスなど、ビジネスプロセスを鳥瞰して規定されています。人材タイプやレベル毎に育成の指針があり、必要な教育を明確化することで、ステップアップしていく道程が理解しやすいようになっています。

 もちろん、一つのキャリアを突き詰めるだけでなく、複数の人材タイプを横断しながら経験を積むこともできるようになっています。

 この制度では「お客様に貢献する、本当に優秀な人材を評価しよう、増やそう」との思いからスタートしています。ICT事業における人材とは資産そのものです。その資産を育成し、お客様に貢献できるようにすることが市場競争力につながっていくという考え方です。

 経験年数が浅い人でもアソシエイトやスペシャリスト、上席プロフェッショナルなどのレベル毎に分けて、適切に配置しながら、より上位の専門性を身に付けてもらう。そうして社内だけでなく社外にも貢献できる人材を育てることを目指してきました。セキュリティ人材についてもこの制度の中で規定・認定、そして育成されています。

 当社のサイバーセキュリティ事業のキャリアパスの特徴は2つ挙げられます。

 一つは、「社内だけでキャリアが完結しない」ということが挙げられます。「社外と社内を行き来しながら、技術を磨き、視点を高める機会がある」と言い換えることもできます。

 当社のサイバーセキュリティ事業は、国・企業を含めた「社会からの要請」によって成り立っています。このため、活躍の場が社内に限定されません。若手技術者が官公庁やセキュリティ関連の団体に出向することがありますが、復帰すると一段高い目線で業務を遂行するようになります。

 また、お客様のCISO補佐官として、お客様側の立場で業務遂行することもあります。産官だけではなく、学界とのつながりも強いです。例えば、北陸先端科学技術大学院大学にはサイバーセキュリティ関連の寄付講座を創設しています。

 もう一つは、様々な先端技術とサイバーセキュリティを組み合わせることができる点です。当社にはAI、ビッグデータ、SDN、サーベイランス等の尖った技術者が多数います。彼らとサイバーセキュリティ技術者が共創することで、新しいソリューションや事業機会が生まれます。先に申し上げたセキュリティプランナの中にはこの領域で活躍する人材もいます。

 先程「社外と社内を行き来しながら」と申しましたが、社内でも異なる領域の先端ICT技術に触れる、融合させる機会があるということも魅力の一つではないでしょうか。